シシャモ種苗生産施設
シシャモ漁業は道東太平洋における沿岸漁業の秋期の主力漁業であり、漁家の年間経営を維持する上で極めて重要な位置を占めている。
しかし、近年のシシャモ資源動向は各諸情勢等による天然産卵環境の悪化等により減少化の傾向が著しくその対策が急務になっている。北海道においても、これらシシャモ資源の維持増大を図るため、人工ふ化放流技術開発及び人工増殖事業推進等資源増大策を積極的に進めていくところであるが、特に釧路・十勝管内おいては、昭和48年以降白糠町茶路川及び十勝川に人工ふ化場を設置、種苗放流事業の実施による資源増大策が進められて来ているところである。
しかし、シシャモ漁獲量は、これら対策の実施によりある程度回復のきざしは見えたものの、資源が安定化していた昭和40年代の漁獲からすると1/3レベルに止まっており、長期的変動としては斬減化傾向にあり、この補完として、釧路マリノベーション構想に関連し、新釧路川に昭和63年人工ふ化の新手法である自然産卵方式の人工ふ化場を設置し種苗放流能力の強化を図りました。
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シシャモ…サケ亜目…キュウリウオ科
シシャモ Spirinchus lanceolatus (Hikita)
北海道の太平洋岸(胆振・日高・十勝・釧路)のみに棲息している魚族で、分類学上はサケ亜目(Salmonina)のキュウリウオ科(Osmeridae)に属し、キュウリウオや、チカ、ワカサギと近縁な種とされています。 |
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シシャモの生活史とふ化事業
シシャモは川で生まれて、海に下り、また川にもどって産卵します。「釧路川ししゃもふ化場」の建設は、産卵のために川にのぼってきたシシャモの親魚の、河川と同様の環境を整備した施設のなかでの産卵を助け、ふ化効率を高め資源の増大を図ることを目的とするものです。

- 沿岸来遊
- 晩秋、10月から11月にかけ、海洋で成長したシシャモは、釧路沿岸域に漁場をつくります。魚群は2年魚が主流で、この時期沿岸域ではシシャモが産卵のためそ上するまでの1ヵ月程度の短期間ですが10トン未満漁船が操業に従事します。漁法は桁曳網です。
- そ上
- シシャモはサケと同じような習性をもっており、川にのぼって産卵します。産卵時期は11月の下旬頃とされており、2〜3日で大群をなしてそ上します。新釧路川はサケと同じくシシャモにとっても”母なる川”といえます。
- 親魚捕獲 (→詳細はこちらのページへ)
- 11月中旬、釧路河畔にプレハブを設営しふ化場に収容するシシャモの親魚を捕獲するため、夜を徹しての捕獲作業が展開されます。
- ふ化場収容 (→詳細はこちらのページへ)
- 新釧路川で捕獲したシシャモの親魚は河川で1日間蓄養した後、輸送タンクで釧路川ししゃもふ化場に移送。オス・メス同比率に選別し、養魚池に放します。
- 産卵 (→シシャモの卵の写真へ)
- ふ化場に収容された親魚は約1週間位で、養魚池の砂れき(人工的に造成した天然産卵床)に産卵します。メス1尾あたり約9千粒を抱卵しているといわれ、受精卵は乳白色=クリーム色で、卵径1.1〜1.5mm位。目を近づけてようやく確認することができる大きさで、砂れきに身を隠すように付着しています。
- ふ化 (→シシャモの稚魚の写真へ)
- 受精から1日の平均水温を加算して約360度に到達するところが”ふ化”の目安とされています。時期的には産卵から約6ヵ月を経過した翌年の4月下旬〜5月にかけて、体長約8mm前後の赤ちゃんシシャモが誕生します。
- 降海
- シシャモは、ふ化してから1〜2日のあいだに海水域に入って、索餌をしなければ生きられないとされています。このときの口の大きさは0.32mmで、動物プランクトンの幼生を捕食しているといわれています。自然界の厳しく壮絶な闘いに挑む”小さな生命力”回帰率は2年後のシシャモ漁の吉凶が唯一判断の決め手、その手法となると今のところは難しい。
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ふ化事業のあゆみ
| 昭和28年 |
シシャモ資源保護対策始まる。 |
| 昭和29年 |
旧雄別鉄橋上流1km地点(底質;砂れき)にシシャモ天然産卵床を発見する。 密漁取締を始める。 |
| 昭和30年 |
11月14日から5日間、そ上調査、天然産卵床調査を引き続き実施。シユロ皮を利用し、搾出方式による育苗試験を実施。 |
| 昭和32年 |
漁業転換対策を樹立し、特別採捕によって「シシャモ桁網漁業」が始まる。 |
| 昭和33年 |
細岡(釧路川河口から20km地点)で天然産卵床を発見。岩保木水門付近、ひょうたん池、春採湖において人工ふ化事業を実施。(4万粒を埋設管理) |
| 昭和36年 |
シシャモ人工ふ化事業に道費14万円が補助される。ふ化盆にグラスウールを採用する。 北海道物産展が始まり消流対策として、釧路市が「シシャモ」の特産品の宣伝に乗り出す。 |
| 昭和37年 |
「シシャモ桁網漁業運営協議会」(釧路市・釧路市東部・昆布森・白糠漁業協同組合の4漁協で構成)が発足、人工ふ化事業推進の母体となる。 親魚捕獲場所、愛国浄水場下、新釧路川左岸で行う。
受精卵1億3千5百万粒雪裡川・茶路川に埋設管理。 |
| 昭和46年 |
通産省並びに道に対し「外国産輸入シシャモ」反対陳情を行動。 受精卵1億3千万粒を雪裡川に埋設管理。 |
| 昭和48年 |
第2次沿岸漁業構造改善事業により「茶路川シシャモふ化場」の建設に着手、同49年竣功。 |
昭和49年 〜62年 |
「茶路川シシャモふ化場」収容、ふ化事業を推進。 |
| 昭和63年 |
広域種苗生産施設整備事業(シシャモ種苗生産施設)、天然産卵方式による「釧路川シシャモふ化場」を建設。 「茶路川シシャモふ化場」 1億粒収容 「釧路川シシャモふ化場」 3億粒収容 |
| 平成13年 |
茶路川ふ化場の老朽化により、同じ白糠町に新たに「庶路川シシャモふ化場」を建設(釧路川ふ化場と同じ天然産卵方式を採用)。 「庶路川シシャモふ化場」 3億粒収容 「釧路川シシャモふ化場」 3億粒収容 |
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